ちょっと衝撃的なタイトルにしてしまいましたが、妻がこの病気で入院したのは、1年前のゴールデンウイークの頃…。
東北の大震災の後、発病したのです。
お陰様で、今はすっかり良くなって元気に過ごしています。
ただ、当時は本当に衝撃的で目の前が真っ暗になるくらい心配をしました。
今回はその時のお話を綴りたいと思います。
1. 始まりは震災後の落ち着かない日々の中で
2011年3月。
日本中が驚愕した東北大震災。
その時、我が家でも「ある地殻変動」が起きていました。
1-1. 妻の予兆
ある時期から頭痛とめまいを口にするようになっていた妻。
我慢出来ずに病院へ自ら足を運んで受診しました。
1-2. 大の病院嫌いの妻
大の病院嫌いで、ちょっとやそっとの体調不良では私がどんなに言っても病院には行かない妻です。
「背中が痛い」って毎日辛そうにしていたのを見兼ねて、息子が接骨院に行くことがあったので、そのついでに無理やり受診させたら、「骨にひびが入ってます」なんてこともありました。
そんな妻がその時は自分から病院に行ったのです。
今までにない痛みだったのでしょう。
2. 市立病院での診察結果
近くの中堅どころの市立病院で受診した妻。
診察結果は、
『これといった病気は見当たらない。』
ということでした。
2-1. いろんな検査をしてはみたものの…
CTスキャンをしたり、耳鼻科、眼科、いろんなお医者さんに診てもらっても、特に「これ」といった病気に辿りつかず、
「様子を見ましょう」
ということになりました。
2-2. 原因不明の頭痛で精密検査をすることに
心配なので、
「MRIで更に精密に検査しましょう。」
ということになっていました。
ただMRIは予約が結構先まで埋まっており2週間後の検査予定となっていました。
3. 不調を訴える妻
MRI検査を控え、すっきりしない日々を送っていたある日曜日。
その日は特に頭痛が酷かったようで、自分から病院に行くと言い出しました。
「少し腕が上げにくい。」
とも言っていました。
私もちょっとただ事ではないなと思いました。
3-1. あいにくの休診と担当医の不在
妻自ら休診日となっているその市立病院に電話をしたところ、
「担当の先生が休日で不在です。」
とのこと。
緊急なら他の病院を当って欲しいということで、何軒かの病院の連絡先を教えてもらいました。
3-2. 大学病院が受け入れてくれることに…
比較的近くにある大学病院に電話をして症状を伝えたところ、急患で受け入れてくれるとのこと。
妻は入院できる着替えなど一式が入ったバッグを既に用意しており、それを持参してとにかく病院に向かいました。
やはり自分から病院に行くだけあって、そのくらいの覚悟を持っていたようです。
でも私は正直なところ、そこまで深刻には思っていませんでした。
4. 大学病院で急患扱いで診察してもらう
急患扱いで受け付けをすると、すぐに当直の先生に診ていただくことができました。
4-1. 当直の先生の見立て
問診と血液検査、CTなどの結果から心配な状況なのでMRIを撮るとのこと。
脳の血管が詰まっている可能性が高いということでした。
4-2. 急遽、入院が決まる
とりあえず、1泊かもしれないけど、その場で入院が決まりました。
私は正直言って、
「そんなに悪いのか…。」
って感じで、ちょっと焦りました。
確かに今回は自分から病院に行ったので異例とはいえ、寝込むほどではなかったし、正直なところ、いつも元気ハツラツとした嫁ではないので入院なんて縁がないものと思っていました。
4-3. 深刻な精密検査の結果
精密検査の結果、やはり脳の血管がつまっていて、それもかなり深刻な状況だと告げられました。
一般的に脳の血管が詰まることによる病気というと、「脳こうそく」が有名です。
脳こうそくが動脈が詰まる病気であるのに対して、私の妻は静脈が詰まってしまったのです。
4-4. 脳の静脈が詰まるということ
動脈が詰まると脳に血液が行きわたらなくなるので大変なわけですが、静脈が詰まると脳から出口のない血液が頭の中にどんどん溜まってしまうのです。
それでもチョロチョロと出口を求めて血液は脳から首へと流れていくので破裂することはありませんが、血管が膨張してその分、脳が圧迫され頭痛が起こるというわけです。
4-5. 衝撃のMRI画像
入院して翌日、私と私の父が先生に呼ばれて、MRIの画像などを見ながら症状の説明を受けました。
その写真も説明も本当に目の前が真っ暗になりました。
4-6. 絶望的に詰まる脳静脈
頭蓋骨のすぐ下に太い静脈が走っているのですが、その血管がまるごと全部詰まっているのです。
「よくこんなんで破裂しなかったな…。」
絶句です。
先生の説明でも、
「いつ破裂してもおかしくない。」
ということでした。
「ほっておいたら、大変なことになった、よく来てくれました。」
と言われました。
私は心の中で思いました。
「よく、見つけてくれました。」
と。
私はその写真が今でも目に焼き付いていますが、本当に絶望的に一番太い血管が完全に詰まっていたのです。
「原因は今のところ不明だが、最悪は脳腫瘍も考えらえる。」
という、次から次へと衝撃的な内容でした。
私も父もちょっと唾を飲み込むような感じになってしまいました。
5. 衝撃を受けた、その後は…
驚いたり、絶望ばかりはしていられません。
今後のことを考えなくてはなりません。
5-1. 当面の診療方針
当面は血液の流れを良くする薬を点滴で入れて様子を見るということでした。
とにかく、緊急手術とかそういうわけではないので、「生死の境目とかそこまでひどくないこと」をよりどころに引き続きいろいろと先生に説明を受けました。
先生の話では、
「とにかく血液の濃度がある程度のレベルになるまで今の薬を投与して、それから具体的な完治に向けた治療を検討したい。」
ということでした。
「いつ破裂してもおかしくないとは言ったものの、この薬を投与し始めてそれなりに濃度も下がっているので、よほどのことがなければ基本的に現状より症状は和らぐでしょう。」
と、ちょっとホッとすることを言ってくれました。
5-2. 頼りになる先生
この先生、まだ30代くらいの若い先生でしたが、説明は具体的で淡々と話されるので私は信頼がおけると感じました。
あいまいなことを言わない。
状況が一変した私たちにとって、とても信頼のおける存在です。
決して楽観的なことも言ってはくれませんでしたが…。
5-3. 入院後の妻の様子
妻の様子も特段苦しそうにしているわけでもなく、さほど重病人風でもないので安心しました。
ここから妻の入院生活と治療が始まったのです。
6. 帰宅後は「脳静脈血栓症」について調べまくる
入院した妻を病院に残し、家に帰った私はインターネットで「脳静脈血栓症」のことを調べまくりました。
脳から心臓へ戻る経路である静脈や静脈洞がつまり発症する脳静脈血栓症があります。静脈性の脳梗塞あるいは脳出血を引き起こします。症状は、曖昧な所がありますが頭痛や嘔吐、痙攣、運動障害、意識障害等の症状が出現する可能性があります。抗凝固療法をはじめ、状態に合わせた治療法が選択されます。
出展:「脳リハ.com」
「脳こうそく」ほど急激な症状ではないことがわかり、すこし安心したものの原因が不明のことが多いということが気になりました。
原因がわからなくても薬の投与を続けていくうちに回復していくこともよくあるようですが、原因次第では深刻な状況になることもあるようです。
原因と治療方針が早くわかることを祈るような気持ちで待っていたわけです。