これは役立つ!給与明細を一覧表にして給与台帳を自作するエクセルテンプレートを無料ダウンロード

年末調整が終わると会社から『源泉徴収票』が発行されて年間の所得税が明らかになります。

でも給与台帳さえあれば源泉徴収票が無くても所得税は簡単に自分で計算することができます。

今回は給与台帳を作成するメリットと毎月会社からもらう給与明細に基づいてご自分の給与台帳を作成できるツールをご紹介いたします。

1. 給与台帳を作成するメリットとは?

給与台帳とは『年間の給与とそれに付随する各種金額を月別に一覧にした表』です。

会社では年末調整事務が義務付けられており、一人別の給与台帳を作成しています。

でも『源泉徴収票』と異なり、一般には社員に交付されません

しかしながこの給与台帳を自作することは様々なメリットがあります。

1-1. 各種補助金の受給資格等を事前知るための資料が入手できる

高校の授業料を補助してくれる『高等学校等就学支援金』を始めとする各種補助金には所得制限が設けられていたり、所得の多寡によって補助金額に差がある場合があります。

それらは年末調整や所得税の確定申告が完了すれば正確なデータを入手することも可能ですが、それらが入手される前に必要な場合も多いと思います。

その様な場合に普段から給与台帳を作成しておくと大変便利で貴重な資料となります。

1-2. 年間の数値が確定する前に「調整」ができる余地が広がる

夫の扶養から外れない様に調整しているパートタイマーを始め、何かしら年末までの金額を予測する場合に役立ちます。

1-3. 税金や社会保険の金額が身近になってお金の知識が向上する

税金や社会保険料を自分がいくら支払っているかを的確に答えられるサラリーマンは意外に多くないのではないでしょうか?

給与台帳を作成することにより自分が毎月そして年間にいくら支払っているのかが一目瞭然になって関心も高まると思います。

これらにまつわる知識を得る機会が増えて行政の在り方や政治にも関心が向くかもしれません。

1-4. 会社の計算がきちんとされていることを再確認できて安心する

会社が給与計算をミスするとお考えの方はあまりいないとは思いますが、こうやって自分でも計算すれば安心感が得られる、という面がもしかしたらあるかもしれません。

1-5. 企業事務のスキルが身に付く

給与計算事務は会社での立派な仕事です。

細かな集計は専用のソフトが自動的に計算してくれますが、チェックを人力で行うことは珍しくありません。

仮に専用ソフトで計算させていてもそのロジックを知っている人は企業には必要です。

現在事務の仕事に就いていない方でも一つのスキルとして給与計算事務の基礎を知っていて損はないかもしれません。

2. 給与明細ってどんな情報が記載されいるの?

今回は毎月給料日に手渡されたりWEB上で閲覧している給与明細から給与台帳を作成する方法をご紹介します。

そこでまずは給与明細にどんなことが記載されているかをご紹介したいと思います。

2-1. 支給の部

給与明細は大きく分けて給与や各種手当の様に「貰えるもの」と税金や社会保険料に代表される「天引きされるもの」が記載されていて、差引支給額が計算されて給料日に実際にいくら振り込まれるかがわかる作りになっています。

  1. 貰えるもの「支給の部」(給与・賞与等)
  2. 天引きされるもの「控除の部」(税金や社会保険料等)
  3. 「差し引き支給額」(振り込まれる金額)

まずは支給の部を見ていきましょう。

2-1-1. 基本給

基本給は大抵のサラリーマンが毎月定額でもらえる部分だと思います。

2-1-2. 各種手当

各種手当の例

  • 役職手当
  • 時間外手当
  • 住宅手当
  • 皆勤手当
  • 資格手当
  • 家族手当
  • 昼食手当
  • 通勤手当

時間外手当に代表される各種手当ですが大切なのは後述する『課税所得』に該当するかどうかという違いを理解しておくことです。

大抵の手当は『課税』ですが非課税が一般的な手当があります。

それは通勤手当。

通勤手当は大抵が『非課税』です。

必ずではない事に注意が必要です。

これらを区別するために『非課税通勤手当』と言った言い方をします。

『課税』とは?

給与に関する『課税』とは『所得税の課税対象かどうか?』という意味です。
消費税の課税・非課税とは無関係ですのでご注意下さい。
尚、通勤手当が課税かどうかは所得税法という国の法律で決まっています。
ご興味ある方は国税庁のサイトをご覧になって下さい。
【国税庁:タックスアンサー】
No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当

2-1-3. 補助金等

給与と一笑に支給される補助金って何があるでしょうか?

例えば、健康保健組合から支給される医療の補助金、予防接種の補助金等が該当します。

2-2. 控除の部

控除とは『差し引き』といった意味です。

つまり給与天引きされるものの総称です。

2-2-1. 税金

もっとも代表的なのが『源泉所得税』です。

国に代わって会社が毎月天引きしています。

更に『住民税』です。

住民税とは都道府県民税と市町村民税の合計額です。

2-2-2. 社会保険料

社会保険料は通常、以下の4項目です。

  1. 健康保険料
  2. 介護保険料
  3. 厚生年金掛金
  4. 雇用保険料

介護保険料は40歳になると納付義務があるため、それより若い人は控除項目に金額が記載されていないかと思います。

また会社によっては厚生年金基金の項目があるかもしれません。

これは会社が年金を手厚くするために加入している年金の上乗せ支給があるための掛け金になります。

ただその場合には「厚生年金掛金+厚生年金基金掛金」が基金未加入の場合の「厚生年金掛金」と同額になります。

2-2-3. 立替金等

会社が従業員に代わって立替払いしてくれたものを給与から天引きすることがあります。

会社によって様々ですがこんなものが例として挙げられます。

  • 社員食堂での飲食代金の徴収
  • 社内売店での購買代金の徴収
  • 会社契約の損害保険・生命保険の徴収

3. あなたの会社はどんな給与明細? 各項目を確認

一般的なテンプレートを2種ご用意してみました。

ちょっと見比べてみて下さい。

給与明細テンプレート_小計欄なし

給与明細テンプレート_小計欄あり

2つの給与明細の違いは小計欄があるかどうかだけです。

でもたったこれだけの違いですが、この欄があるかどうかで給与台帳作成のための集計の手間が大きく変わります。

あなたの会社はどちらのタイプでしょうか?

それともいずれのタイプでもありませんでしょうか?

今回は小計欄のある下のタイプを基に説明していきたいと思います。

2つの給与明細は全く同じ金額を異なる様式で表しているだけです。

ですからもしご自分の給与明細が小計欄の無いタイプでしたら、小計欄を付け加えて考えて頂ければと思います。

4. 支給項目で着目するのは『課税支給額』だけでいい

給与台帳を作成する時に重要なのは課税支給額です。

年末調整で行う様な所得税計算の基礎になります。

4-1. 課税支給額とは?

課税支給額とは支給される給与や各種手当の内、課税される支給だけを抜き出したものです。

ここで言う『課税』とは所得税に対する課税を指しています。

先ほども説明しましたが、『課税対象外』の支給項目は多くありません。

テンプレートの例では課税対象外は『非課税通勤手当』だけです。

厳密に言うと『課税対象外』と『非課税』は完全に同じ意味を指す訳ではありませんが、通常は非課税といえば、「課税されないもの」、つまり『課税対象外』のことを指していると理解して差し支えありません。

つまり『課税合計』欄には支給欄に記載されている「基本給」+「資格手当」+「住宅手当」+「家族手当」+「時間外手当」の合計である385,650円となっています。

『非課税合計』には「非課税通勤手当」の金額だけが集計されています。

そして2つの合計が『総支給額』となっています。

支給項目で利用価値があるのは『課税合計』欄に記載されている金額です。

『課税合計』欄があれば、どの項目が課税でどの項目が非課税かをご自分で判断できなくても大切な集計値『課税支給額』を得ることができるのです。

5. 控除項目で着目するのは『社会保険料合計』と『課税対象額』

控除項目で大切な金額は『社会保険料合計』と『課税対象額』です。

その点について少し解説致します。

5-1. 控除項目の『所得税』とは何の金額か?

控除項目の『所得税』欄は年間の所得税額を表わしているわけではありません。

この欄に記載されているのは『源泉所得税』です。

テンプレートの例で言えば6,230円の所得税が源泉徴収されているというわけです。

5-1. 源泉所得税は給与明細があれば簡単に算出できる

毎月給与から天引き、つまり源泉徴収される源泉所得税はどうやって算出されるのでしょうか?

それは『課税対象額』を算出して扶養親族の人数ごとに金額が記載されている一覧表に当てはめてそこから源泉徴収税額を拾い出すことによって行われます。

この一覧表のことを

『給与所得の源泉徴収税額表』

と呼びます。

この表に記載されている『その月の社会保険料等控除後の給与等の金額』が判れば扶養親族が0~7人の方まで表により源泉徴収税額がこの表から拾い出すことができます。

そしてこの『その月の社会保険料等控除後の給与等の金額』こそが給与明細の『課税対象額』です。

つまり以下の算式で表せます。

  • 「課税対象額」=「課税支給額」-「社会保険料控除額」

です。

これを給与明細の小計欄の名称で表すと…

  • 「課税対象額」=「課税合計」-「社会保険料合計」

となります。

【「2019年 源泉徴収税額表」を今すぐダウンロード!】をクリックすると全8ページにわたる全ての年収に対応した表がご覧になれます。

給与明細の例に記載されている「課税対象額」327,917円を『その月の社会保険料等控除後の給与等の金額』に当てはめてみると3ページ目に記載されているのがおわかりかと思います。

「扶養親族が2人」の欄に「6,230」の金額が発見できるかと思います。

ちなみに賞与の場合は給与とは少し違った考え方で源泉徴収税額を決めます。

『源泉徴収税額表』も賞与専用のものを利用して算出することになります。

5-3. 源泉所得税を算出するために必要な『社会保険料』

上記の通り、源泉所得税を算出するには社会保険料の合計額を算出する必要があります。

また、年末調整でも確定申告でも所得税の年間税額を計算するにはこの社会保険料の年間支払額(給与からの控除額の年間合計)が必要となります。

従って源泉徴収税額を算出するためだけでなく社会保険料の合計額は重要です。

ちなみに税金にかかわる数値を集計する際には社会保険料の内訳はあまり重要ではありません。

社会保険料は「健康保険料」、「介護保険料」、「厚生年金掛金」、「雇用保険料」の合計額ですが、それぞれがいくらかという明細は極端に言えばどうでも良い金額です。

そのため『社会保険料合計』欄がある給与明細は短時間で最低限の集計が必要な際にはとても役立ちます。

6. 給与台帳は給与明細を足し算するだけの一覧表

前置きが長くなりましたが、給与台帳は単純に毎月の給与と賞与の給与明細を月別項目別に縦横で集計するだけです。

上の給与台帳は給与明細の内容を全て網羅した内容になります。

税金関連のための台帳の作成で良ければ手間を掛けないように以下の様な簡易版でも十分かもしれません。

今回はエクセルのテンプレートをご用意しました。

下記をクリックすればエクセルがダウンロードできます。

尚、源泉所得税や各種社会保険料は自動計算となっておりませんので必ず給与明細からの数字を転記するようにして下さい。

また計算式が入っていますがシートに保護を掛けておりませんので、計算式の入ったセルに数値を入力をしないようにご注意ください。

万一、計算式が復元できなくなってしまった場合には何度でもダウンロード可能ですので当ブログにて再度ダウンロード下さいます様お願い申し上げます。

7. 関連記事で年末調整や住民税計算にもチャレンジしよう!

給与明細から給与台帳を作成をすると更に年末調整計算、住民税(市町村民税所得割額)まで計算できるシートを作成しました。

給与台帳作成だけでなく是非こちらもチャレンジしてみて下さい。

年末調整は生命保険料控除や地震保険料控除について保険料を入力すると所得控除額を自動計算できます。

この計算シートでは年末調整データを入力すれば「市町村民税所得割額」まで自動計算する機能も付いています。

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