「ふるさと納税」が高等学校等就学支援金の所得制限対策でおススメな理由とは?

投稿日:2017-10-29 更新日:

高校の授業料の補助が受けられる『高等学校等就学支援金』では所得制限が重要なテーマになっています。

また、私立高校に進学した場合には保護者の所得の多寡により受けられる補助金の額が増減します。

この所得制限のボーダーライン近辺にある所得の世帯では「ふるさと納税制度」を活用した所得制限回避策が非常に有効です。

既に当ブログの過去記事『高校受験を控えた家庭が年末までに「ふるさと納税」を済ませておきたい理由とは?』でお伝えした通りです。

特に平成27年(2015年)4月から導入された「ふるさと納税ワンストップ特例制度」は所得制限回避にとても強い味方となります。

今回の記事ではそのおススメしている理由と影響額についてご紹介したいと思います。

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1.『高等学校等就学支援金』における所得制限の概要

高等学校等就学支援金制度では一定の所得以上の世帯では高校通学に関する補助はされない所得制限を設けています。

その所得制限は『市町村民税所得割額』で判定されます。

『市町村民税所得割額』とは住民税(の一部)です。

詳しくは過去記事をご参照下さい。

所得制限の詳しい基準を確認したい方は私が運営しているもう一つのブログにて詳細をご紹介していますので是非ご覧ください。

2. 所得制限を回避するのに何故ふるさと納税が有効なのか?

ふるさと納税の有効性を説明するには少し『市町村民税所得割額』のことをご理解頂けると話が早いです。

2-1. 市町村民税所得割額の計算構造

『市町村民税所得割額』は以下の算式で計算されます。

『課税所得』×『税率』―『税額控除額』=『市町村民税所得割額』

上のエクセルシートは『市町村民税所得割額』の計算シートです。

今すぐダウンロード!

住民税所得割額計算シート

先ほどの計算式をもう少し細かく見てみましょう。

『給与所得』とは給与収入から『給与所得控除』を差し引いて計算されます。

『給与収入』―『給与所得控除』=『給与所得』

『課税所得』は『給与所得』から『所得控除』を差し引いて計算されます。

『給与所得』―『所得控除額』=『課税所得』

これらを代入すると…

(『給与収入』―『給与所得控除』―『所得控除額』)×『税率』―『税額控除額』=『市町村民税所得割額』

2-2. 市町村民税所得割額を減らすにはどうすればいい?

上の式から『市町村民税所得割額』を減らすには…

(『給与収入』―『給与所得控除』―『所得控除額』)を減らす

『税率』を減らす

『税額控除額』を増やす

更に(『給与収入』―『給与所得控除』―『所得控除額』)の中身を見てみると…

『給与収入』を減らす

『給与所得控除』を増やす

『所得控除額』を増やす

ということで5項目の増減により変動することがわかります。

2-2-1.『給与収入』を減らす

収入を減らすことはコントロール可能と言えば可能ですが、収入が減ってしまっては元も子もありません。

これを減らそうとするのは現実的ではありません。

2-2-2.『給与所得控除』を増やす

『給与所得控除』は給与収入の額で一律にその金額が決まってしまいます。

法律で決まっているため、一切のコントロールできません。

2-2-3.『所得控除額』を増やす

全部で13種類ある『所得控除』はその金額をある程度コントロール可能なものもあります。

  1. コントロール可能な所得控除
    〔生命保険料控除〕〔地震保険料控除〕〔小規模企業共済掛金控除〕〔配偶者控除/配偶者特別控除〕
  2. コントロール不能な所得控除
    〔社会保険料控除〕〔扶養控除〕〔障害者控除〕〔寡婦/寡夫控除〕〔勤労学生控除〕〔基礎控除〕

〔社会保険料〕は給与収入の金額で自動的に決まってしまいます。

〔扶養控除〕は家族の年齢等でほぼ決まってしまいます。

〔障害者控除〕〔寡婦/寡夫控除〕〔勤労学生控除〕は本人や家族の状況で決まってしまいます。

〔基礎控除〕はその金額が一律33万円と決まっています。

次にコントロール可能な5項目を見てみましょう。

〔生命保険料〕〔地震保険料控除〕は支払う保険料の金額によって変わりますのでコントロール可能ですが、上限金額も小さく支払保険料の変動と比較して控除額は増えません。

そもそも税金が安くなるからと言って必要もない保険に加入する意味はありませんので、コントロール可能であるとは言えあまり現実的な調整項目ではありません。

〔小規模企業共済等掛金控除〕は支払った掛金がそのまま全額控除対象となるので影響額は大きいです。

しかしながらそのメイン対象共済である『小規模企業共済』は加入条件が個人事業主や法人の役員・共同経営者で一定の条件を満たす必要があります。

『小規模企業共済』以外に対象となるものとして『企業型確定拠出年金』や『個人型確定拠出年金』もあります。

『企業型確定拠出年金』は会社が行う制度ですし、『個人型確定拠出年金』は一般に厚生年金に加入しているサラリーマンは対象外です。

結局のところ〔小規模企業共済等掛金控除〕は税金削減効果は高いながらもサラリーマン向きではないので対象となる方がとても限定的です。

〔配偶者控除/配偶者特別控除〕は配偶者の収入をコントロールすることにより所得控除額コントロールできます。

パート収入を103万円以内に抑える家庭が多く存在するのは最大控除額33万円(所得税計算では38万円)を得るためです。

ただ家計はその分頭打ちになってしまいます。

そのため政府はこの上限金額を150万円に引き上げようとしていますね。

いずれにしても家計収入をある意味「犠牲」にして得るという点ではデメリットもある方法です。

※所得税では『税額控除』扱いになっている〔雑損控除〕〔医療費控除〕も住民税の計算では所得控除となります。

〔医療費控除〕では保険診療可能な歯科治療をできるだけ行う、なんてコントロール方法もありますが、今回はサラリーマンが確定申告不要な項目に絞っており説明は割愛させて頂きます。

2-2-4.『税率』を減らす

市町村民税の税率は収入や所得の大きさによらず一定です。

一切コントロール不能です。

参考までに住民税の税率は10%で、その内訳は市町村民税分が6%、都道府県民税が4%となっています。

2-2-5.『税額控除』を増やす

税額控除は3種類あります。

〔住宅ローン控除〕は住宅ローンを組んだ時点で決まってしまいますのでコントロール不能です。

〔調整控除〕は家族構成等で決まるコントロール不能な人的所得控除や課税所得で自動的に決まってしまうためほぼコントロール不能です。

これらに対して〔寄附金控除〕は、寄附として支払った金額に応じて控除が受けられます。

もちろん上限金額がありますが、生命保険料控除や地震保険料控除と比較するとその金額の幅が大きい点がメリットして重要なポイントです。

2-3. 所得制限をコントロール可能なのが「ふるさと納税」

数ある税額増減項目の中で唯一と言っても良い、サラリーマンが自分の意思でその金額を変動させられるのが『寄附金控除』なのです。

そして「ふるさと納税」はこの「寄附金控除」を利用した仕組みです。

つまり高等学校等就学支援金の所得制限である「市町村民税所得割額」の納税者が意図的に増減できる可能性が高いのが「ふるさと納税」なのです。

3.「寄附金でお金が出ていってしまったら税金が安くなっても意味ないのでは」という疑問に対する答え

なんだか夢の様な控除項目としてご紹介した『寄附金控除』ですが…。

「税金を安くしてどうやって家計の助けにしようか?」という庶民にとっては「税金が安くなってもその分寄附でお金が無くなってしまっては意味ないのでは?」という疑問もあります。

寄附金控除のメリットは以下の2つの理由からクローズアップされます。

3-1. ふるさと納税を利用すると『返礼品』をゲットできる

『ふるさと納税』は実は自治体に対して特定の手続きをした場合の寄附金控除の特例の制度なのです。

この控除の計算構造はやや複雑なので詳細は後述しますが、簡単に言いますと…

『ふるさと納税』はある一定の金額までは『「寄付金 - 2,000円」』の全額がそのまま税金が安くなるのです。

つまり寄附金に対する自治体からの返礼品の価値が2,000円以上であれば実質無料で寄付していることになります。

返礼品は高級和牛や海産物、お米などが人気があるようです。

3-2. 市町村民税所得割額の所得制限を回避できるケース

『高等学校等就学支援金』における所得制限は先述の通り、『市町村民税所得割額』の金額のみで判定されます。

世帯合計が304,200円以上の家庭では補助を受けることができず授業料の全額を負担することになります。

極端なことを言いますと、『市町村民税所得割額』が304,000円の家庭では授業料が無料、『市町村民税所得割額』が305,000円の家庭では授業料が全額負担、たった1,000円の納税額の違いで授業料が最大で3年間分無料と全額負担という大きな違いが起こります。

ちなみに公立高校の授業料っておいくらでしょうか?

下記の記事を参考にして下さい。

3年間で30万円以上、私立高校なら更にそれ以上かもしれないものが、たった1,000円の納税額の差で決まるともしわかっていたら「何とかならないか?」ということです。

だからこそ減額幅がある程度自分でコントロール可能な寄附金控除という項目が大変重要なのです。

仮にふるさと納税の返礼品をもらえなかったとしても所得制限のボーダーライン上にある家庭にとっては『価値ある寄付金』になるかもしれません。

寄付金と税金、どっちかは支払わなければなりませんが、どっちにするかで大きな違いがあるケースもあるのですね。

4. まとめ

  1. 高等学校等就学支援金の所得制限の基準は『市町村民税所得割額』
  2. 所得制限の基準を満たしていないと30万円以上の授業料負担の増加となる
  3. 『市町村民税所得割額』の減額を納税者がコントロールするのは難しい
  4. 『寄附金控除』は納税者が納税額の減額可能な貴重な項目
  5. ボーダーライン付近の家庭では支出を増やしてでも寄付する価値がある
  6. 『ふるさと納税』は寄附金控除の支出を抑制する効果があって家計に優しい



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