高校の初年度の支払いと就学支援金 各種金額一覧と試算方法

投稿日:2016-11-15 更新日:

義務教育を卒業すると「教育費」について本格的に考える必要がありますね。
公立高校の授業料を無償化してくれる補助金制度『高等学校等就学支援金』は入学前に考えておく項目があります。
今回の記事では公立・私立高校でどれだけのお金がかかるのかをご紹介するとともに『高等学校等就学支援金』についてもお伝え致します。



1. 高校の初年度納付金

『そもそも授業料っていくらなの?』

これから高校に入学する中学生をもつ保護者の方の中にはこんな疑問を持つ方も多いかと思います。

納付金としては、公立高校なら「入学金」と「授業料」だけですが、私立高校だとそのほかに「施設整備費等」として納付が必要となります。

高校によって名目は異なりますが、入学金と授業料以外にも徴収される納付金があります。

高校の初年度納付金を公立・私立に分けてお伝えします。

1-1. 公立高校の初年度納付金

まずは東京都です。

都立高校の授業料
(平成30年4月1日現在)
学校別・課程別 年額
高等学校の全日制課程及び中等教育学校の後期課程 118,800円
高等学校の定時制課程 32,400円
高等学校の定時制単位制課程 1単位につき1,740円×履修単位数
高等学校の通信制課程 1単位につき336円×履修単位数
(平成26年度に入学する生徒から適用)
1科目につき870円×履修科目数
(平成25年度以前から在籍する生徒に適用)
特別支援学校高等部 1,200円

入学金(呼び名は「入学料」というそうです)は以下の通りです。

都立高校の入学料
(平成30年4月1日現在)
学校別・課程別 入学料
高等学校の全日制課程及び中等教育学校の後期課程 5,650円
高等学校の定時制課程 2,100円
高等学校の通信制課程 500円

神奈川県の初年度納付金も調べてみました。

東京都とほぼ一緒です。

神奈川県立高校の授業料
(平成30年6月現在)
学校別・課程別 年額
高等学校の全日制課程 118,800円
高等学校の定時制課程 32,400円
高等学校の専攻科 118,800円
高等学校の通信制課程 1単位につき350円×履修単位数
(平日登校履修の場合は1単位700円)
神奈川県立高校の入学料
(平成30年6月現在)
学校別・課程別 入学料
高等学校の全日制課程 5,650円
高等学校の定時制課程 2,100円
高等学校の専攻科 5,650円
高等学校の通信制課程 0円

公立高校の授業料や入学金はほぼ横並びでほとんどかわりません。

目安としては上記の金額を考えておけば問題ありませんが、正確な金額をお知りになりたい方は、都道府県等の自治体の公式サイトに詳細が紹介されています。

「東京都立高校 授業料」「○○県立高校 授業料」等で検索してみて下さい。

ほとんどの公立高校が東京都とほぼ同額となっているかと思います。

1-2. 私立高校の初年度納付金

私立高校の授業料は一般的に公立高校に比べると高額になっています。

公立高校のように『横並び』ではなく高校によって金額も様々です。

文部科学省の調査では平成30年度私立高校(全日制)の授業料の全国平均は399,152円ということです。

入学料は163,272円となっています。

他にも「施設整備費等」として納入の必要があり、168,562円がその全国平均となっています。

授業料だけですと20万円を切る学校もありますが、逆に80万円を超える学校もあります。

1-3. 公立・私立高校(全日制)の初年度納付金の推移

文部科学省が全日制高校の初年度納付金の全国平均を発表しています。

高校(全日制)初年度納付金 全国平均額の推移
区分 私立 公立
26年度 授業料 383,598円 118,800円
入学料 161,580円 5,641円
施設整備費等 170,466円
715,644円 124,441円
27年度 授業料 390,578円 118,800円
入学料 162,362円 5,641円
施設整備費等 169,360円
722,300円 124,441円
28年度 授業料 393,524円 118,800円
入学料 162,122円 5,641円
施設整備費等 169,048円
724,694円 124,441円
29年度 授業料 396,313円 118,800円
入学料 162,356円 5,641円
施設整備費等 169,611円
728,280円 124,441円
30年度 授業料 399,152円
入学料 163,272円
施設整備費等 168,562円
730,986円

尚、全日制高校の都道府県別の初年度納付金の平均データもありますので、下記もご参考にしてみて下さい。

私立高校の場合には、実際に受験する学校を調べる必要があります。

学校の受験案内などを調べるのが手っ取り早いと思いますが、「相場」のようなものを調べたい場合には参考になるかもしれません。

便利なサイトをご紹介しておきます。

高校の授業料などの一覧が掲載されているサイトです。

1-4. 初年度にかかる納付金以外の費用

尚、学校によって納付金のほかにも「修学旅行等積立金」「生徒会費」「PTA会費」等が徴収されますが、徴収項目や方法などについては学校ごとに異なります。

入学希望の高校の公式サイトを参照したり、中学校の進路指導室にお問い合わせ頂くのが良いかと思います。



2. 授業料に対する補助金『高等学校等就学支援金』

『授業料無償化』と言われることが多いですが、実際には『高等学校等就学支援金』として授業料に対する支援金が支給されることになります。

2-1. 就学支援金の支給額

支援金の金額は以下の通りになります。

就学支援金の支給額の上限
(年額=月額×12ヶ月)
学校の種別 住民税所得割額 全日制 定時制 通信制
公立高校・公立中等教育学校の後期課程 9,900
円/月
118,800
円/年
2,700
円/月
32,400
円/年
520
円/月
6,240
円/年
国立高校・国立中等教育学校の後期課程 9,600円/月
115,200円/年
私立高校 257,500円以上
507,000円未満
9,900円/月
118,800円/年
85,500円円以上
257,500円未満
14,850円/月
178,200円/年
100円以上
85,500円未満
19,800円/月
237,600円/年
0円(非課税) 24,750円/月
297,000円/年

※「住民税所得割額」とは『市町村民税所得割額と都道府県民税所得割額の合算額』を指します。

支援金は学校の種類によって異なります。

また、公立高校等は『全日制』『定時制』『通信制』の違いによっても支援金の上限が異なります。

国立高校の場合には公立高校と比べると少しだけ支援額が下がります。

(国立高校に定時制や通信制は現在は「存在しない」そうです)

これに対して私立高校保護者の所得が一定以下ですと支援金の上限が倍増します。

もちろん授業料の補助が目的の支援金ですから授業料の額以上に支援金をもらえるわけではありません。

ちなみに上の一覧表に記載の内容以外にも『単位制』の学校の場合の規定など、支援金の上限は細分化されて決まっていますので詳細を知りたい方は下記の表をご参考にして下さい。(クリックすると拡大してご覧になれます。)

2-2. 就学支援金 所得制限と保護者の所得

就学支援金の受給資格や私立高校の支援金の額の違いは『保護者の所得』により判定されます。

具体的にはこの保護者の所得を『市町村民税及び都道府県民税の所得割額の合算額』というもので判定しています。

詳しくは以下の記事を参考にしてみて下さい。



3. 結局高校には初年度いくら払うことになるの?

まず高校授業料無償化等と言われる『高等学校等就学支援金』ですが、こちらは『授業料』について補助金が支給される制度です。

入学金や施設費、教材費などは支援されません。

入学を予定している学校が国立なのか?公立なのか?私立なのか?でも異なりますし、保護者の所得により支援の可否や補助の金額も異なります。

初年度にいくら納入することになるかを調べるには次のようなステップが必要です。

3-1. 入学する高校が公立か私立か?

就学支援金は国公立なら『授業料=支援金』となっていますので、所得制限に該当せず支援対象となるご家庭では授業料が無償化になるということです。

これに対して私立高校の場合には、支援金の上限を超える授業料は支援対象のご家庭でも自己負担することなります。

また私立高校の場合、支援の金額は保護者の所得によって異なりますので入学を予定している高校の初年度納入金の詳細を確認すると同時に、ご自分のご家庭が支援金の金額算定上どのカテゴリーに属しているのかを知っておく必要があります。

3-2. 公立高校の初年度の支払

まず就学支援金の所得制限に該当するかを調べます。

サラリーマン1名のみの収入のご家庭では年収7,333,333円未満でしたら無条件で所得制限非該当となります。

年収7,333,333円以上の場合には『年収』だけではなくきちんと『市町村民税及び都道府県民税の所得割額合算額』を算出して所得制限に該当するかどうかを確認する必要があります。

以下の記事を参考にしてみて下さい。

所得制限に該当しなければ「入学料」などの授業料以外の金額を合計が初年度の納入金です。

所得制限に該当する場合に「授業料」を含めた全ての金額を合計することになります。

3-3. 私立高校の初年度の支払

まず就学支援金の所得制限に該当するかを調べます。

サラリーマン1名のみの収入のご家庭では年収7,333,333円未満でしたら無条件で所得制限非該当となります。

年収7,333,333円以上の場合には『年収』だけではなくきちんと『市町村民税及び都道府県民税の所得割額合算額』を算出して所得制限に該当するかどうかを確認する必要があります。

ここまでは公立高校と同様ですが、仮に所得制限に該当しない場合には、更に支援額が世帯の所得によって変わりますので初年度の納入金を試算したい場合には『市町村民税及び都道府県民税の所得割額合算額』を正確に知る必要があります。

以下の記事を参考に計算してみて下さい。

次に実際に初年度納入金がいくらなのかを入学したい高校の公式サイト等で調べるか、中学校の進路指導室や直接高校に問い合わせする等して確認します。

初年度の納入額から先ほど確認した授業料の支援額を差し引いた額が初年度の納入金となります。

公立高校と異なりほとんどのケースで授業料が自己負担なしというわけにはいきません。

逆にもし授業料が支援額の上限金額より小さい場合には支援の金額は授業料の金額までとなります。

4. 学年ごとに見直される所得制限判定と私立高校の授業料支援額

高等学校等就学支援金は年単位でその可否判定を行います。

従いまして入学の年に所得制限に該当しなくても翌年(2年次)に必ず支援金がもらえるとは限りません。

現在のところ判定基準の変更は見込まれていませんので、収入や所得に大きな変動が見込まれない場合には気にする必要がありませんがボーダーライン上の年収、所得である場合には注意が必要となります。

どの様なタイミングで判定が行われるのかは下記の記事を参考にしてみて下さい。

この『判定』に関して過去記事で詳細をお伝えしてきましたので、詳しくお知りになりたい方は以下のQ&Aをご参考にご参照下さい。

就学支援金と保護者の所得Q&A
知りたい! 参照先 (リンクをクリック!)
(1)高等学校等就学支援金の『所得制限』の詳細とは? 2019年(平成31年)版!我が家は高校授業料無償化を受けられる?高等学校就学支援金の所得制限ボーダーライン
(2)保護者の定義とは? 『世帯』に合算すべき人とは?
(3)市町村民税・都道府県民税 所得割額とは? ①そもそも『住民税』とはどうなっているの?
②そして本題の『市町村民税所得割額・道府県民税所得割額の合算額』とは?
(4)私の『市町村民税・都道府県民税 所得割額』っていくらなの? 『市町村民税・都道府県民税 所得割額』の調べ方と判定方法
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