PCのマルチディスプレイは使ってみるとかなり便利

使っている人には「何を今更…」かもしれませんが、使っていない人にとっては「へぇー、そうなんだ」という事、結構あると思います。

今回ご紹介する「PCのマルチディスプレイ」もそんな「使ってみたら手放せなくなる」事のひとつだと思います。

1. マルチディスプレイとは

マルチディスプレイとは、1台のパソコンに2台以上のディスプレイを接続して利用する方法です。

DTPやグラフィックスなどディスプレイに収まらないほどの広大な編集画面が必要な分野、デザイン的要素の強い業務での作業用とし利用されたり、デイトレーダーの様にいろいろな数値を同時に見ながら作業を行うために用いられますが、そんな専門分野を持たない人にも便利なディスプレイの使い方です。

2. 私がマルチディスプレイを使い始めたきっかけは?

2012年に全面的に地デジ化が進み、アナログテレビ放送が終了したのがきっかけでした。

20年以上使ったブラウン管のテレビはさすがに大きくて邪魔になったので地デジ対応のテレビを購入した時に電気店に引き取ってもらいましたが、小型の液晶テレビはDVD閲覧用にでもしようととりあえず捨てずに取っておきました。

それを試しにブログの更新やネットサーフィン用に使っていたノートパソコンにつないだのが始まりです。

海外製の安物のテレビでしたが利用するのにまったく支障もなく便利に使うことができました。

「会社で支給されるパソコンがマルチディスプレイ標準仕様がきっかけ」という方も今は多いかもしれませんね。

3. マルチディスプレイって、そんなに便利?

これは一度使ってみるとわかります。

専門的な作業をしていなくてもマルチディスプレイは本当に便利です。

自宅でもそうですが、現在では会社のPCもマルチディスプレイにしており、仕事でも更にその便利さの恩恵を享受しています。

特に測定している訳ではありませんが、2倍から3倍は作業効率が上がるのではないでしょうか?

私は既にこれなしではPCを使いたくありません。

作業そのものに集中できるのもいいです。

その良さは『複数の画面の表示切替が不要』であったり、『データを参照しながら何かを入力する時に便利』ということに集約されそうです。

では実際にどんな応用例があるでしょうか?

その一例をご紹介しましょう。

3-1. ブログ執筆

ブログ執筆にマルチディスプレイは活躍してくれます。

プレビュー画面を常に確認しながら記事の編集ができます。

またこんな使い方もあります。

『編集画面』+『調べ物をネットサーフィンしながらやる画面』

『編集画面』+『挿入する画像検索+画像処理』

3-2. エクセルでの集計

エクセルの作業にマルチディスプレイは威力を発揮してくれます。

エクセルでの集計データを入力する際に参照元データがエクセルであるケースなどは紙に印刷されたデータを手入力するより参照元から直接コピペした方が良いケースが多いです。

その場合には参照元、参照先、両方を画面で見ながら作業した方が格段に作業効率が上がります。

3-3. 通販サイトを比較する

通販で購入する時に値段やスペックを比較検討する際に、いちいち表示切替しながらするよりも並べて見比べることができた方が便利です。

3-4. 入力画面と参照データを並べて表示

先ほどのエクセルの応用ですが、様々なアプリケーションでデータ入力をする際に参照元データを並べて表示させながら入力できると効率が上がります。

私は会計ソフトで仕訳データを入力する際に便利に利用しています。

3-5. 数値分析が便利

私は会計ソフトで色々なデータを分析する時に複数の画面を見ながら行っていてマルチディスプレイが重宝しています。

例えば予算実績のかい離状況をまずは全体の勘定科目単位で把握した後にその詳細を見たい時に元帳データという取引レベルまで記載されたデータに当たったりしますが、それぞれのデータの表示を切り替えるストレスから解放されました。

4. 私が利用している3種類のマルチディスプレイ

私はマルチディスプレイをパターン別に利用しています。

4-1. ノートパソコン+別売の専用モニター

「マルチディスプレイ」と言うと通常は、このパターンを指すと思います。

先述の通り、地デジ化で不要になったテレビを自分の部屋のPCの2台目のモニターとして利用しています。

4-2. テレビを2台目のモニターとして利用

我が家のリビングにあるPCはとなりにテレビがあるのでPCと接続して2台目として利用しています。

といっても、現在はもう一つの方法をメインで利用しているので、特別に大きなモニターが必要な時以外はあまり稼働していません。

例えば、ネットで動画を観るような時には便利です。

4-3. 横長のディスプレイを横2分割してマルチディスプレイ化

厳密にはただ単に画面分割をしているだけなのですが、便利な機能を息子から教えてもらってそれからはリビングで利用している別売で購入した横長モニターで多用しています。

右にプレビュー画面、左に編集画面を表示して行うのが、私の自宅でのブログ記事執筆の定番です。

マルチディスプレイ

アプリケーションごとに右上の□をクリックして画面を縮小して適度な大きさにしながら複数のアプリケーションを利用したりブラウザを複数表示させることはやっていましたが、一発で2分割(厳密にはアクティブになっているものを等分割)にしてくれるのが便利です。

設定は一番下のタスクバー上(アイコンが無いところ)で右クリックすると下の様なメニューが出てきます。

ウィンドウの左右分割

「ウィンドウを左右に並べて表示」を選択すると綺麗に等分してくれます。

色々なアプリケーションやブラウザ画面を開いていると4等分とか5等分にされてしまい、細長くて使い物になりません。

不要なものは一旦画面を「最小化」してしまえば良いです。

その後、もう一度「ウィンドウを左右に並べて表示」を選択すれば必要な画面だけが等分で表示されます。

アクティブになっている画面が優先して左側に表示されますので、左右入れ替えたい時には、左にしたい方の画面の余白などをクリックしてアクティブにしてから同じ操作(「ウィンドウを左右に並べて表示」)を行えば左右が入れ替わってくれます。

もし2台もモニター購入するのがもったいない、と思われる方はできるだけ横長のモニターをチョイスしてみてはどうでしょうか?

5. モニターの接続方法

モニターの接続方法はPC側、モニター側、双方が有しているコネクタによります。

5-1. ミニD-Sub 15ピン コネクタ

比較的古いモノでも気軽に対応できるのが「ミニD-Sub 15ピン コネクタ」です。

PCとモニターをこのコネクタが付いたケーブルでつなぐだけです。

ケーブルを購入する時は双方の「オス」「メス」だけ気を付けて下さい。

5-2. USBサブモニター

USBサブモニターはUSBで電源も供給するので気軽に利用できます。

但し、先述の「ミニD-Sub 15ピン コネクタ」と異なり、モニター側にUSBサブモニターとしての機能が必要であったり、ドライバの設定が必要だったりするようです。

5-3. HDMI接続

古い機器ですと端子がない場合もありますし、ケーブルのお値段が高いですが、デジタルデータの転送としては優秀であるようです。

HDMIケーブル

また、最大の特徴が一つのケーブルで映像データと音声データを同時に転送できるので、モニターがスピーカー付きのものであるときやテレビに接続する場合には有効な接続方法です。

コネクタの専門サイトがありますので、詳細を知りたい方は研究してみて下さい。

6. マルチディスプレイの3つの表示モード

マルチディスプレイには3つのモードが選択できます。

設定はPC側で行います。

6-1. マルチディスプレイモード

2つのディスプレイを合わせた「大きな1画面」として利用するモードです。

先ほどから、便利だ、便利だ、と言っているのは、このモードで利用しているケースを指しています。

6-2. クローン(ミラー)モード

2つの画面にまったく同じ画面を表示させるモードです。

大きな画面を他人に見せながらプレゼンを行う様な時に利用すると便利なモードです。

6-3. モニターオフモード

どちらか一方のディスプレイをオフにして1台だけで利用するモードです。

ノートパソコンのモニターは小さいから利用せず、外付けの大きい画面だけで作業がしたいケースや必要に応じて2台使用する時と1台使用する時を使い分けたい時に片方のモニターをオフにしておきたい時に利用するモードです。

マルチディスプレイモードのまま、片方のモニターをオフにしてしまうとオフにした方の画面側にアプリケーション画面が行ってしまって、画面上に何も映っていない、なんてケースが生じてしまうことがよくあります。

接続しているけど使わないモニターがある場合にはきちんとオフモードにした方が良いかもしれません。

7. 表示モードの設定方法

ノートパソコンや標準ディスプレイが付いたデスクトップパソコンに別のディスプレイを接続した場合の設定方法についてお伝えします。

7-1. コントールパネルのディスプレイ設定画面を開く

パソコンにディスプレイを接続したらパソコンでコントロールパネルを開きます。

コントロールパネルから『ディスプレイ』という項目を探して開きます。

コントロールパネル_ディスプレイ

上記の画面が表示されますので、赤線でしました『ディスプレイの設定の変更』をクリックして開きます。

7-2. PCにディスプレを認識させる

『ディスプレイの設定の変更』を開きますと下の様な画面になります。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更

ディスプレイが1つしか接続されていない場合や新しいディスプレイがパソコンに認識されていない場合には上のような画面になりますが、2つのディスプレイが認識されると下の画面の様に画面を表わすところが2画面に増えて表示されます。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更

2画面が表示されているようでしたらこの作業(ディスプレイを認識させる)は不要ですので飛ばして下さい。

もし新しいディスプレイを接続しても画面が1つしか表示されていなかったら、パソコンに認識させる作業をします。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更_検出

上の画面にあるように『検出』ボタンをクリックします。

これで2画面が表示される様になるはずです。

ならない場合には接続が間違っていたり、きちんとコネクタが差し込まれていなかったりするかもしれませんので確かめてみて下さい。

7-3. ディスプレイの配置を決める

通常画面は左右に置くと思います。

メイン画面とサブ画面の左右の位置と同じようにパソコンに認識させます。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更_ディスプレイ

上の図の赤で示されたところの▼印をクリックするとパソコンに認識されているディスプレイが表示されます。

私のパソコンはノートパソコンでこのパソコンに最初から付いているディスプレイは『モバイルPCディスプレイ』と認識されています。

サブディスプレイは要らなくなった地デジ未対応の液晶テレビですが、『LCD Monitor』と認識されています。

LCDは「liquid crystal display」つまり液晶ディスプレイのことです。

1番のディプレイがノートパソコンのもの、2番のディスプレイが外付けテレビの液晶となっているわけです。

位置関係は1番のノートパソコンのものが左、2番の外付けの液晶ディスプレイが右に位置しています。

もし右側に外付けを置いている場合には2番のディスプレイをつかんでドラッグしながら位置を変えます。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更_ディスプレイ位置の変更

マルチディスプレイにするとサブディスプレイがあたかも大きな画面の右や左にあるように仮想的に画面上の様々な表示されているものをメインディスプレイの外側に移動するとサブディスプレイ上に移動します。

もしディスプレイの位置を変更した時にはこの設定を変えてあげれば良いです。

念のためにどちらのディスプレイが1番なのかを確認したい時には『識別』ボタンをクリックします。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更_識別

画面に白抜きの数字が数秒間表示されます。

マルチディスプレイ_画面認識

上の赤枠で囲われているのがノートパソコンの画面、青枠で囲われているのが外付け液晶ディスプレイの画面です。

7-4. モードの切り替え

先日の表示モードの切り替えは下の図にあるように『複数のディスプレイ』というところにある▼をクリックします。

コントロールパネル_ディスプレイ表示の変更_複数のディスプレイ

『表示画面を拡張する』⇒マルチディスプレイモード

『表示画面を複製する』⇒クローン(ミラー)モード

『デスクトップを××のみに表示する』⇒モニターオフモード

ノートパソコンの画面を使用しない場合は、『デスクトップを2のみに表示する』を選択すれば良いわけです。

設定と言ってもとても簡単です。

余っているモニターがあったりちょっとの出費で作業効率を上げたい、そういう方にはとてもお手軽でおススメです。

液晶モニターもずいぶん安価になって新品で19インチ程度のものが1万円くらいから購入できますので、すぐに元がとれると思います。

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