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トラブルも多い「建築条件付き土地 」を賢く購入するためには? ~物件チラシの見方~

投稿日:2017-04-30 更新日:

地形図の上の家の模型

『建築条件付き土地』といった表現をしている物件チラシを見たことはありませんでしょうか?

チラシの体裁としては『建売住宅』のように間取り図とともに掲載しているため、慣れていない方には『建売住宅』のチラシと勘違いしてしまう場合もあります。

似て非なる『建築条件付き土地』と『建売住宅』ですが、この違いはきちんと理解していないと思わぬトラブルになりかねません。

建売住宅を購入しようとしている方は、『建築条件付き土地』と『建売住宅』の違いを良く理解して物件探しをする必要があります。

今回の記事では2つの違いをご説明するとともにトラブルを未然に防ぐためにどうすれば良いのかを解説したいと思います。

【物件概要の一例】
■物件概要 ●名称/〇〇タウン2期A棟 ●所在地/〇〇市××町1丁目1-1 ●交通/JR〇〇線「△△駅」徒歩5分 ●総区画数/10区画 ●地目/宅地 ●建ペイ率/60% ●容積率/200% ●用途地域/第1種住居地域 ●道路幅員/アスファルト舗装6.5m 歩道2m ●私道負担/なし ●電気/〇〇電力 ●ガス/個別プロパン ●上下水道/公共上下水道(〇〇市) ●学校/△△第一小学校・△△第二中学校 ●土地権利/所有権 ●分譲戸数/1戸●分譲価格/〇〇〇〇万円(税込)●土地面積/150.22㎡ ●建物面積/96.88㎡ ●間取り/4LDK ●構造/在来軸組工法2階建 ●建築確認番号/第H23確認建築×××××号 ●完成予定/平成29年×月末 ●入居予定/平成29年×月末 ●取引態様/媒介 ●広告有効期限/平成29年×月末日



1. まずは『建売住宅』を理解する

建売住宅とは「土地と建物のセット販売」です。

契約は『土地と建物の売買契約』となります。

1-1. ポイントは『建築確認申請』

『建売住宅』は基本的に建物は完成済みか着工しつつあるものの販売ですので、間取りなどは原則として変更ができません。

そしてこれらの大前提になるのが『建築確認申請』です。

建築基準法などの関連法規に建築の計画が適合しているかを『確認』してもらうための申請です。

主に容積率・建ぺい率オーバーとなっていないか、隣地との斜線規制などに抵触していないか、道路付け、建物の防火などをチェックしています。

建築確認申請は売主、つまりは建築業者が行うことになります。

1-2. 建売住宅は間取りなどの変更ができない

建売住宅は『建築確認申請』の審査が通り、『建築確認番号』が付されていないと広告、販売ができないというルールがあります。

『建売住宅』として売り出されている物件は、たとえ建築前の物件であっても変更できない間取りなどの設計図面に基づいて申請がなされています。

従って出来上がりは確定しています。

この『物件の仕様が確定しているものを”購入”する』、というところがポイントです。

2. 『建築条件付き土地』を理解する

物件チラシなどで良く見る『建築条件付き土地』は建築プランとして間取り図などが掲載されています。

そのため一見すると建築前の建売住宅の様な気がしますが契約形態がそもそも異なります。

2-1. ポイントは『土地の売買契約+建物の工事請負契約』

『建築条件付き土地』物件は契約時点では『売主または売主指定の業者との工事請負契約を結ぶことを条件』に『土地の売買』のみが成立しています。

そのためこの時点は建築確認申請はなされておらず『建物』の仕様は確定していないわけです。

では建築確認申請は誰がするのでしょうか?

それは土地を購入した「あなた」です。

契約は土地の売買契約が先にあって、その後工事請負契約も結ぶことになるわけです。

2-2. 建築条件とは一体何なのか?

建築条件とは先述の通り、『売主または売主指定の業者との工事請負契約を結ぶことを条件』とすることです。

つまり自分が購入した土地だからと言って、「勝手に業者を選んで建物を建ててはだめですよ」ということです。

ただし建築する建物に制限があるわけではありません。

物件のチラシには、「おススメプラン」とか「モデルプラン」などの表現で間取り図が描かれていたりしますが、別にこの通り建築する義務は一切負っておりません。

指定業者ができない工法や材料を指定することはできませんが、それ以上に制限はありません。

3. 『建築条件付き土地』物件の見分け方

一見すると建売住宅と見間違うこともある『建築条件付き土地』物件です。

物件チラシから『建築条件付き土地』物件を見分ける方法を確認しておきましょう。

  1. 『建築条件付き』等の記載
  2. 間取り図に「モデルプラン」等の記載
  3. 『建築確認番号』の記載の有無

建築確認番号は記事冒頭の物件チラシ・物件概要の記載例の様な記載を確認します。

●建築確認番号/第H23確認建築×××××号

4. 『建築条件付き土地』という販売形態がある理由

それでは何故『建築条件付き土地』という販売手法があるのでしょうか?

それは売主、買主双方にメリットがあるからです。

4-1. 『建築条件付き土地』買主のメリット

買主のメリットは建売住宅と違って『自分好みのマイホーム』が手に入れることができる点にあります。

間取りや設備など自分の好きなものにすることができます。

建築会社を探す手間もありませんし、価格もスケールメリットを享受できたりします。

4-2. 『建築条件付き土地』売主のメリット

この販売形態が多い理由は買主よりはむしろ売主側のメリットが大きく影響しているとも言われています。

4-2-1. 「売れ残り」による損失発生のリスクと損失額の最小化

『建売住宅』は誰が買うのかが決まっていない段階で建物の設計・施工をすることになります。

そのため「ニーズとのマッチング」を「土地と建物の両方」に要求されます。

土地のみの取引に比べて「建物のニーズのマッチングの失敗」による売れ残りリスクが高まります。

第1の『建築条件付き土地』販売のメリットは売れ残りに伴う損失発生リスクの軽減にあります。

また、土地だけの仕入であれば同業他社への転売がしやすいため、「売れ残り」時の損失拡大を抑えやすいということも買主側のメリットと言えます。

4-2-2. 「土地のみ」の販売と比較して利益を得やすい

売れ残土地・建物双方からの利益を確保できるため土地のみの取引と比較すると1つの販売で大きな利益を確保できる点がメリットとなります。

建築条件付き土地の形態にすると建物は請負契約となります。

土地の販売さえ確定させれば顧客のニーズを汲み取って「売上の確定した」建築を行いそこに一定の利益を見込める販売形態と言えます。

つまり売主にとって『建築条件付き土地』は『リスクは少なめ、利益は多め』の販売形態なわけです。

5. 『建築条件付き土地』物件に対する考え方を整理する

今回この記事を読み進めて頂き、『建築条件付き土地』が建売住宅とは異なることをご理解頂き区別することはできるようになったかと思います。

それではこの様な『建築条件付き土地』物件の特性を理解した上でどんな対処をしたら良いでしょうか?

購入する志向別に考えてみましょう。

5-1. 『建売住宅』購入希望者

建売住宅購入希望者が広告などを物色している過程で『建築条件付き土地』に出会った時の対応を予め決めておくのが最も賢明な方法と言えます。

  1. 『建築条件付き土地』には手を出さず建売住宅物件のみを探す
  2. 『建築条件付き土地』も購入対象として視野に入れて物件を探す

『建築条件付き土地』も購入対象する場合、その特性を理解した上で『工事請負契約』を結ぶ覚悟を持っているかどうかがとても重要だと思います。

5-1-1. 『工事請負契約』を結ぶ覚悟

建売住宅との大きな違いは建物に関する契約の違いです。

建売住宅は『土地+建物の売買』契約に対して建築条件付き土地は『土地売買+建物工事請負』契約となります。

売買は既に出来上がっているモノを購入するため仕様も目で確認し易く比較的契約内容は単純です。

購入する対象が大きく確認すべき項目が多いという点では電化製品の購入よりははるかに注意を要する買い物ではありますが、売買であることには変わりありません。

これに対して『工事請負契約』は設計段階から仕様を把握してその仕様で工事を開始して良いかどうかの判断を買主側が責任を持って行うことになります。

すべてを業者の言いなりになっていても契約は発注者側の了解のもとに行っている体裁ですので、「こんなはずではなかった」ということになるリスクをはらんでいます。

このようなリスクを積極的に取りながら、より多くの対象物件から条件の良い物件を探して「自分好みの建物」を手に入れたい方なら良い選択となるかもしれません。

5-2. 『注文住宅』発注希望者

元々注文住宅を希望している方は、土地販売業者指定の業者による『工事請負契約』に業者の縛りがあることを受容できるかどうかにかかっていると思います。

既に信頼できる工事業者を見つけていてその業者さんへの発注を決めている場合には、その業者さんから紹介されている物件でない限り、『建築条件付き土地』の購入は難しいかもしれません。

5-2-1. 『建築条件付き土地』物件のメリット

建築業者縛りがある物件を選択するメリットは以下の2つに集約されるのではないかと思います。

  1. 物件の選択肢が増える
  2. 条件が同一の土地なら安く手に入る可能性がある

売り出される土地は建築条件が無い物件に限定するより条件付きも含めた方が選択対象が増えるため『建築条件付き土地』物件を選択対象とするメリットとなるのはわかり易いと思います。

2番目のメリットは土地売買のみの利益だけ販売の利潤を上げるよりも建物の建築からも利益が得られる契約である『建築条件付き土地』物件の方が相対的に土地の利幅を抑えて販売される可能性があることから考えられるメリットです。

土地の仕入れ価格を下げられる可能性については、あくまでも『可能性』という理解が良いのかもしれません。

不動産の価格は似たような条件であっても『すべての条件がまったく同じ物件』は存在せず単純に比較が難しい点があります。

売主の意向により『割安』に売り出す物件もあれば、『割高』に売り出す物件もあります。

ですから一概に『売り方』の違いにより不動産価格の優劣が決まるというものでもないからです。

そのため土地の相場観をきめ細かく理解した上で『「条件付き」によるメリットが生きている』と判断できることが重要となってくると思います。

5-2-2. 『建築条件付き土地』物件を対象にするかどうかの判断基準

上記の様なことから『建築条件付き土地』物件を対象にするかどうかの判断基準は以下に集約されるのではないでしょうか?

  1. 既に建築業者が決まっている
  2. 建築条件となっている指定建築業者の良否が判定可能
  3. 相場観あり同様の条件の条件なし物件との比較ができる

この記事のまとめ

今まで見てきた内容をまとめると以下の通りとなります。

  • 『建築確認』情報によりチラシで判断できる『建築条件付き土地』物件
  • 『建築条件付き土地』物件とは「土地売買+建物工事請負」契約
  • 建売住宅購入希望者は建物工事請負契約を受け入れられること
  • 注文住宅発注希望者は業者縛りを受け入れられること

是非今回の記事を参考にして頂き、より良い物件に巡り合えるご参考にして頂けたら幸いです。

≪ご注意とお願い≫
当ブログでは、記事中に法律に関する記載がありますが、その内容については記事掲載時点で施行されている法律に基づいております。従いまして、法律改正等により記事内容が最新の法律に基づいていないケースもあることを予めご承知おき下さいます様お願い申し上げます。




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