今回はマイホームと『ガス』についてお伝えしたいと思います。
家庭用ガスには都市ガスとプロパンガスがあるのはご存知ですよね?
「何が違うの?」って聞かれて
「比重が違うからガス漏れの時、都市ガスならしゃがんで避ける!」
と答えた方は災害対策は万全ですが物件選びに関してはもう少し詳しく知っておきましょう。
■物件概要 ●名称/〇〇タウン2期A棟 ●所在地/〇〇市××町1丁目1-1 ●交通/JR〇〇線「△△駅」徒歩5分 ●総区画数/10区画 ●地目/宅地 ●建ペイ率/60% ●容積率/200% ●用途地域/第1種住居地域 ●道路幅員/アスファルト舗装6.5m 歩道2m ●私道負担/なし ●電気/〇〇電力 ●ガス/個別プロパン ●上下水道/公共上下水道(〇〇市) ●学校/△△第一小学校・△△第二中学校 ●土地権利/所有権 ●分譲戸数/1戸●分譲価格/〇〇〇〇万円(税込)●土地面積/150.22㎡ ●建物面積/96.88㎡ ●間取り/4LDK ●構造/在来軸組工法2階建 ●建築確認番号/第H23確認建築×××××号 ●完成予定/平成29年×月末 ●入居予定/平成29年×月末 ●取引態様/媒介 ●広告有効期限/平成29年×月末日
1. 都市ガスとプロパンガスの違い
都市ガスとプロパンガスは以下の様な違いがあります。
1-1. 供給方法とガス販売業者
都市ガスはガス会社からパイプラインを通って各家庭に供給される方法です。供給方法としてのイメージは水道や電気と同様です。
プロパンガスは各家庭にガス販売業者がガスボンベを届けてくれます。
都市ガスは東京ガスなどの大手ガス業者を含め200社ほどがあります。
プロパンガス事業者は大手から中小・零細企業まで全国には数万社あると言われ、その正確な数は把握できないほどです。
都市ガスは言ってみればケーブルテレビがその会社のケーブル網が届いている地域でしか加入できないのと同様、都市ガス会社の『ガス管』が張り巡らされた地域でしか加入できません。
そのためガス管が敷かれていない地域ではプロパンガスしか選択肢が無いことになります。
都市ガスしか知らない方の中には『ガス切れ』を心配される方もいらっしゃるようですが、現在は多くの販売店で各家庭のガスの残量をコンピュータ管理しているそうで心配ありません。
私の実家はずっとプロパンガスでしたが、コンピュータ管理が無かった時代でも『ガス切れ』は体験したことがありません。
私の現在住んでいる地域もまさにそのような地域に該当しますので我が家はプロパンガスとなっています。
1-2. 料金体系
都市ガスは水道や電気と同様の『公共料金』です。事業者は勝手に料金を設定できません。
これに対してプロパンガスは公共料金ではありません。
東日本大震災以降、電気料金については何かと取沙汰されることも多いですが、自由料金ではない点では都市ガスも同様ということですね。
販売店による自由料金であり公的な適正価格というものも存在しません。そのため場合によっては同じ販売店から購入していても加入時期や契約の仕方によって様々な料金が存在するケースもあるようです。
1-3. ガスを利用するには設置費用がかかる
ガスの利用にはガス管や料金メーターなどの機器の整備が必要となります。
こうした設置費用は利用者が負担することになるのですが、この請求方法が異なります。
都市ガスでは利用開始時、つまりは住宅の新築時に設備費用として一括して請求ということなります。
プロパンガスの場合、初期費用を最初に一括請求せずに毎月のガス使用料に上乗せして請求する方法が慣習として多いようです。
携帯電話の料金体系を思い浮かべるとイメージが湧きやすいかもしれませんね。
代金一括支払いパターンと月々支払パターンで携帯電話本体の代金を支払う方法がありますよね。ですから、次にご紹介する月々の料金比較は初期費用とトータルでの考え方も必要かもしれません。
1-4. ガス料金の比較
料金体系や設置費用の違いは判りましたが、都市ガスとプロパンガスのガス料金はどんな感じなのでしょうか?
ガスの料金を比較する場合、都市ガスとプロパンガスでは『熱量』が異なるため単純に『使用量の単価』を比較することはできません。
同じ熱量を発揮する量に換算した上で料金を比較する必要があります。
そうしますと一般に都市ガスの方がプロパンガスより安いということになっています。
プロパンガスはほぼ全国一律同じ成分のため熱量は一緒ですが、都市ガスはガス会社により異なります。
東京ガスや大阪ガスなどの大手はプロパンガスの約半分程度の熱量です。
1-4-1. 東京ガスの試算例
我が家の2017年3月のプロパンガスの使用料は「23.0㎥」でした。
プロパンガスの料金は10,562円でした。
プロパンガス「23.0㎥」は熱量を考慮して東京ガスの都市ガスで換算すると「50.6㎥」に相当するとしています。
都市ガス「50.6㎥」は6,888円となるそうです。〔2017年4月現在〕
月額3,674円もお得です!
と訴えてきます。
都市ガスが利用できる地域にお住まいでプロパンガスをご利用の方は確認してみて下さい。
上記のシミュレーションではプロパンガス利用者が現行のプロパンガスと比較して都市ガスを利用した場合どのくらい安く(高く)なるかをシミュレーションできます。
大抵は都市ガスの方が安くなるようですね。
プロパンガスは一般的に1.5倍~2倍くらい、なんて目安もあるようですが、我が家の場合はそれほどでもありませんでした。
1-4-2. ガス料金の内訳にも注意してみる
ここで先ほどの設備費用が月額に含まれているかどうかという点も一つの注意点です。
我が家のプロパンガスの場合、基本料金1,500円が使用量にかかわらず一律かかります。
そして従量部分が税抜で8,280円、1㎥当たり税抜360円ということになります。
設備費用が上乗せされている場合には基本料金が高いのかもしれませんね。
1-4-3. プロパンガスに変更する場合にはガス会社の選定が大切
プロパンガスの場合は『自由料金』設定です。
この部分は販売店と各家庭の契約次第ということになります。
ですから東京ガスのシミュレーションでは『現行のプロパンガスを東京ガスに変えたら』という比較はできますが、『現行の東京ガスからプロパンガスに変えたら』という比較はできません。
何故ならプロパンガスは契約ごとに料金体系が異なりますので、一概に『いくら節約できるか』が試算できないからです。
プロパンガス利用の方はガス会社の選択も良く検討することですね。
ガス代は毎月発生する固定費です。
『ちりつも』で長年継続すると大きな差になる要素ですからね。
1-5. 火力の違い
熱量はプロパンガスの方が強いということですが、これは『火力』の違いにあらわれるようです。
都市ガス供給地域でも料理店などは火力の強さを考えて、あえてプロパンガスにするケースもあるようです。
もし『こだわりの料理』があるのでしたら、プロパンガスも一考かも。
1-6. 災害時の復旧
プロパンガスは仕組みが単純ですので設置や復旧が簡単です。
「震災で電気・水道・電話、都市ガスに比べ、真っ先にプロパンガスが復旧を果たした」という実績もあるそうです。
災害ときくと「プロパンガスは爆発するのでは?」という心配もあるようですが、運用に問題があるケースを別として、そう簡単にボンベは爆発しません。
心配はなさそうです。
1-7. 使用できるガス器具の違い
ガスコンロなどのガス器具はガスの成分により異なりますので、適合したものを使う必要があります。
都市ガスは都市ガス同士でも規格が異なると適合しない器具もあります。ご注意を。
プロパンガスは全国一律同じ器具での使用で問題ありません。
こちらのサイトも参考にしてみて下さい。
2. 我が家で体験したプロパンガスの怖い話
〔ガス管レンタルという聞きなれない言葉〕
私が体験したマイホーム購入の時のお話をご紹介します。
これは契約時にことなのですが、購入先の住宅メーカーの担当営業マンからこんな話がありました。
私はちょっとびっくりしてしまいました。
購入するマイホームのたった数センチのガス管だけが「人のモノ」が埋め込まれている家を私は買うのかと…。
安い建築コストを達成するためにガス会社からバックマージンをもらっているのかと思いましたので、
仕方ない面も理解できなくはありませんが、
そのために未来永劫高いガス代を払い続ける羽目になったらたまりません。
ということで私は営業マンにこう切り返しました。
最初は「さも当たり前の様な口調」だったのが、私があまりにもきっぱり言うもんだから、徐々に『お願い口調』になってきました。
契約書のどこかに謳っていれば、絶対にそんな理不尽なことには応じませんでした。
私が購入した家の契約には「ガス管レンタル」には一切触れてもいません。
営業マンの定型トークとしてさも契約条項の様にガス会社指定を誘導するという常套手段のようですね。
結局、「法外な料金を請求されるようなことがあったら即刻業者変更すればいいや」ってことで営業マンのお願いを受け入れることにしました。
現在もそのガス管は我が家の壁に埋まっていますし、ガス会社も当初契約の会社のまま7年が過ぎました。
特に法外な料金ということもないのでそのままですが、もしかしたら『吹っかける』ガス業者もいるかもしれません。
こんな『へんてこな申し出』があったら、必ず『それが契約かどうか』を確認しましょう。
3. この記事のまとめ
- ガスには都市ガスとプロパンガスがある。
- それぞれのガスにはメリット・デメリットがあるので良く理解しておく
- それを踏まえて購入を検討している物件が都市ガスなのかプロパンガスなのかを『物件概要』でチェックする
- 建築業者や仲介不動産業者によってはガスに関する「縛り」がある場合があるので契約内容を良く確認する
- 上記の縛りに納得いかない場合にはそれが契約上のものなのかどうかを調べてから承諾するかどうかを決める
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