マイホーム購入の大切な情報源であるのが『物件チラシ』です。
物件チラシに記載された下記の様な『物件概要』は小さな文字で書いてありますから、チラシを一見して目に飛び込んでくる情報ではありませんが、とても重要な『データ』です。
今回は、『土地権利』についてご紹介します。
土地権利って何のことを指しているかおわかりでしょうか?
■物件概要 ●名称/〇〇タウン2期A棟 ●所在地/〇〇市××町1丁目1-1 ●交通/JR〇〇線「△△駅」徒歩5分 ●総区画数/10区画 ●地目/宅地 ●建ペイ率/60% ●容積率/200% ●用途地域/第1種住居地域 ●道路幅員/アスファルト舗装6.5m 歩道2m ●私道負担/なし ●電気/〇〇電力 ●ガス/個別プロパン ●上下水道/公共上下水道(〇〇市) ●学校/△△第一小学校・△△第二中学校 ●土地権利/所有権 ●分譲戸数/1戸●分譲価格/〇〇〇〇万円(税込)●土地面積/150.22㎡ ●建物面積/96.88㎡ ●間取り/4LDK ●構造/在来軸組工法2階建 ●建築確認番号/第H23確認建築×××××号 ●完成予定/平成29年×月末 ●入居予定/平成29年×月末 ●取引態様/媒介 ●広告有効期限/平成29年×月末日
1. 見過ごしがちな『土地権利』
『土地権利』は一戸建てに限らずマンションでも重要な要素です。
物件価格にも大きく反映する項目です。
通常『土地権利』の項目には『所有権』と記載されていることがほとんどです。
ですから形式的な表記に過ぎない様に感じてしまいますし、その通りと考えてもさほど問題にはならないとは思います。
しかしながら正確には土地に関する権利を表しているのでとても重要な項目であります。
『土地権利』には『所有権』の他に『借地権』というものがあります。
2. 『土地権利』における『所有権』とは?
『所有権』はその名の通り、物件の購入によって土地に関して所有権を得ることができます。
その利用や処分(例えば譲渡など)は所有者の自由です。
コストとして固定資産税や都市計画税の支払い義務が発生します。
3. 『土地権利』における『借地権』とは?
『借地権』は『その土地を借りる権利』を購入したに過ぎないので『所有権がない』ことに注意が必要です。
固定資産税などの支払い義務がない代わりに、『地代』を土地所有者に支払わなければなりません。
『所有権』と違って『借りるだけの権利』ということをご理解下さい。
『定期借地権』の様に土地の賃貸期間を過ぎると建てたマイホームを取り壊して更地にして貸主(大家さん)に土地を返さなければなりません。
また資産として残らないという点が『所有権』と異なるところです。
4. 『借地権』のメリット
借りるだけで毎月地代まで支払わなければならない『借地権』のメリットはというと、『初期費用が安く済む』という点です。
通常、借地権の契約をする時には『権利金』などの名目で初期費用が発生します。
ただ、購入するより安く初期費用を抑えられます。
そのため借地権の物件は土地権利が『所有権』の物件に比べて価格が安く売り出されています。
ですから『所有権』と『借地権』の違いを理解して初期費用を安く抑えた方がメリットがあると感じた上で、『借地権』を選択するのであれば、それは『あり』だと思います。
5. 物件チラシの『土地権利』で注意したいこと
定期借地権など土地流動化の促進を目指して法整備がされてきましたが、先述の通り、土地はまだまだ『所有権』の売買の方が圧倒的に多いと思います。
また購入者も当然そうだと思っていると思います。
『借地権物件』を「掘り出し物」を見つけたぞ!などとぬか喜びをして物件見学なんかに行くことだけは避けたいものです。
マイホーム購入に必要な冷静な目 物件のチラシはチェックすべき項目で溢れてる!では、『フィルタリング』された物件探し という表現をしましたが、物件探しで無駄足を踏むことを事前に避けることも大事です。
更に…
『契約の時の重要事項説明で初めてその事実に直面してびっくりする』なんてことになったら大変です。
傍から見たら、
「契約の重要事項を初めて知ったなら、その時点で契約を止めればいいじゃないか」
そうも思えますが、マイホームを購入するほとんどの方が『契約』、しかも高額の契約の場に慣れているわけではありません。
場合によっては流れに押されて契約を成立させてしまうかもしれません。
また高額の手付金が戻ってこない、なんてことがあっても大変です。
是非、チラシを見るときには、念のため『土地権利』が『所有権』と記載されていることを確認しましょう。
特に物件価格が相場より破格に安い場合にはまずこの項目を確認しましょう。
当ブログでは、記事中に法律に関する記載がありますが、その内容については記事掲載時点で施行されている法律に基づいております。従いまして、法律改正等により記事内容が最新の法律に基づいていないケースもあることを予めご承知おき下さいます様お願い申し上げます。
コメント