前回の記事では第3回目の手術についてお伝えしました。
1. 入院準備をしている私にかかってきた電話
<1回目・2回目のバルーンカテーテル手術>の4ヶ月後に<肺シンチ検査>を受けました。
その<肺シンチ検査>から更に1ヶ月後に、<3回目・4回目のバルーンカテーテル手術>の為に3回目の入院をすることとなっていました。
そして入院の2日前。
私が3週間分の入院荷物を揃え、最終確認も終え、それらを旅行用スーツケースに詰め込んでいる最中、自宅の電話が鳴りました。
電話に出ると病院名を名乗る男性の声が聞こえてきました。
その瞬間、(アレッ?)って思った。
入院の前には必ず病院から『入院の確認』電話が掛かってきますが、それはいつも<前日に女性から>掛かってきていました。
なのにその電話は<2日前に男性から>でした。
違和感を感じました。
で、次の瞬間。
その男性は
「循環器内科のCです」
と名乗りました。
(あっ、主治医のC先生だ!)と分かりちょっとビックリしました。
(主治医直々に入院の確認電話?)
(それとも何か問題発生か?)
ってほんの数秒の間に色んなことを考えました。
ちょっとドキドキしながらC先生の次の言葉を聞きました。
「クリオネさんの手術を出来たら延期して欲しいんですが…」
2. まさかの手術延期!!
真っ先に頭に浮かんだのは主人のことでした。
私の入院の送迎と2回の手術に備えて休みを取れるよう、仕事の調整を頑張ってくれていました。
管理職なので自分1人の仕事のことだけでは済みません。
部下や社長や親会社や子会社の人達とも関わる仕事を調整しているのです。
延期したらその努力が全て無駄になります。
でもC先生の次の言葉に、私は延期に同意せざるを得ませんでした。
「クリオネさんより重症な患者さんがいて、その患者さんの手術を優先したいので…」
私自身、右心不全が悪化した時はかなりの重症で危なかったのです。
あの時決まった私の急な手術の為に、延期を余儀無くされた他の患者さんがいたかもしれない。
あの時の自分と重なりました。
3. 新たな手術日
延期することに決まった後、新たな手術日が医師から提示されました。
でも、その日はあいにく息子の小学校の卒業式です。
その後も中学校の入学式が控えているし、何より息子が中学校の生活に慣れるまでは入院したくありませんでした。
それに一番厄介なのが中学の入学後に購入する物の注文と支払い、山のようにくる書類の記入と提出です。
全ていっぺんに注文して支払えればいいのだが、その都度手紙で指示が来ます。
書類も<自宅付近の地図を書く>など面倒臭いものも含まれる上、書類毎にマチマチに提出日が設定されているのです。
上の子がいるのでその面倒臭さは経験済み。
それを主人にやらせることに抵抗がありました。
私のせいで迷惑を掛けることは出来るだけしたくありませんでした。
色々な都合を考え、結局次の入院は5ヶ月も先になってしまいました。
電話の後の脱力感
主治医の先生からの電話を切った後、私は全身の力が抜けて、詰めかけの入院荷物も片付けられませんでした。
何故なら、私は入院に向けての気合いが充分過ぎたのです。
家族が困らないよう段取りを組んで準備して、自分の荷物も準備して…
入院中、子供達の世話の為に泊まり込んでくれるお義母さんとも色んな打合せをして、家の鍵も預けてしまっていたし…
私の病気と入院のことを知っている数人の友達からは励ましのメールももらっていた…
それから1週間、私は<腑抜け>となってしまった。