前回の記事では私の最後の手術についてお伝えしました。
今回は妹の一言で私の入院生活が一変してしまったことについてお伝えしたいと思います。
入院嫌いの方、良かったら参考にしてみて下さい。
1. 術後の説明
4回目のバルーンカテーテル手術の翌日、手術を担当した医師から術後の説明を受けました。
画像を見ながらとても分かりやすく丁寧に説明して下さいました。
「平均肺動脈圧は<21㎜Hg>まで下がりました。」
「予定通り、これでバルーンカテーテル手術は終了します。」
「今後少しづつ良くなっていくと思いますが、術後1ヵ月位してから良くなったと感じる患者さんが多いようです。」
「ただ、中には悪くなる方もごく少人数いるので、その場合は追加の手術を検討します。」
「次回、半年後に安静時と運動時の検査をして、その結果次第では酸素を外せるかもしれません。」
「これからは階段も息切れしないで上れると思いますが、パルスオキシメーターで90を切らないように様子見ながら動くように。」
「安静時は自覚症状がなければ酸素を外してもいいでしょう。」
と、いう内容でした。
息切れしないで階段を上れるとか、安静時は酸素を外していいとか、一気に目の前がパーっと明るくなったような気がしました。
2. 妹からの励ましの言葉
入院前に妹からもらった励ましの言葉で、今回は前向きな気持ちで入院に挑めました。
「病院じゃなくてホテルでバカンスだと思えばいいんじゃない?」
「家の事とか忘れてセレブにでもなったつもりで行ってきなよ。」
と。
なるほどねえ、ホテルでバカンスねえ。
そういう発想が私にはなかったし、単純な私は急に入院に対する気持ちが軽くなりました。
3. 私のセレブなバカンス
そして『大学病院ホテル』で、自分一人の時間を楽しむためのグッズをスーツケースに詰め込みました。
今 はまっている韓国語の勉強道具一式。
お気に入りの音楽いろいろ。
娘が貸してくれた小説を3冊。
息子からはクロスワードパズルの懸賞付きの雑誌。
それから・・・セレブなので美肌グッズいろいろ。
美容液をたーっぷり含んだ顔のパック用シートいっぱい。
顔をコロコロする美顔ローラー。
微かにバラの香りがする保湿クリームなどなど。
お蔭で癒し系の音楽を聞きながら、顔のパックをする贅沢な時間を満喫できました。
そういえば・・・ここ最近、自分の好きな音楽をじっくり聴くなんてこと無かったなあ、って気がつきました。
4. 語学だって学んじゃうセレブな毎日
それから韓国語の勉強にも集中できました。
看護師さんとも語学の話で盛り上がりました。
中には現在、英語の勉強中で将来は海外で看護師をしたいという看護師さんがいたり…。
意外だったのは回診に来たE医師と韓国ドラマの話ができたこと。
E医師お勧めの韓国ドラマも教えてもらえました。
ただ一つ残念だったのは・・・
診察後にE医師が去って行くとき韓国語で、
「ケンチャナヨ (大丈夫ですよ)」
と言ってくれました。
私はその意味も分かりましたし、
「ソンセン二ム、カムサハムニダ (先生、ありがとうございます)」
と返せばいいことも分かっていました。
超易しいレベルの韓国語でした。
なのに、とっさに韓国語で返すことが出来なかったんです。
今思い出してもうまく返せなかったことが悔しくてなりません。
5. 気が重くなりがちな入院も気の持ちようでこんなに違う
なんだかとっても充実した入院生活でした。
もちろん、痛いとか辛いとか、不安があればこうはいかなかったでしょう。
そう、前々回の入院では、右心不全の悪化と、点滴・採血の針の痛みに苦しんで、毎日早く退院したいとばかり考えていました。
入院を楽しむ余裕なんてありませんでした。
だから今回は入院の最初に点滴の針交換の回数を減らしてもらうことと、針を刺すのが上手な方にお願いしたいと自分の希望を看護師さんに伝えておきました。
そのせいか点滴の針が刺さっていることを忘れるくらい上手に刺してくれて、針の痛みで苦しむことは1度もありませんでした。
そして前回は初めてのバルーンカテーテル手術で不安がいっぱいで、術後の安静時も体が痛くて辛い状況でした。
でも今回は3回目・4回目の手術で気持ちに余裕があったし、首からのカテーテル挿入になったので術後の体の痛みもありませんでした。
だからだろう。
今回は『大学病院ホテル』でのバカンスで、自分一人の時間を満喫することができました。
6. 今後の入院
この病気はこの先ずっと定期的な検査が必要で、そのたびに大学病院に2泊3日で入院しなければならないだろうと主治医から聞いていました。
「定期的に入院だなんて、なんて面倒な病気を罹ってしまったんだろう」とずっと気が重かったんですが…。
でも今回、入院を楽しむコツを掴んでしまった私には、もう恐れるものは何もありません。
7. たくさんの方々に感謝
術後、相変わらず軽い咳は続いてはいましたが、動悸はおさまり経過も良いので退院出来ることになりました。
医師、看護師、介護補助の方、沢山のスタッフの方たちに助けてもらいました。
感謝しても感謝しても、感謝しきれません。
そうそう、掃除のおばちゃんとのおしゃべりも楽しかった。
毎日ほんの僅かな時間だけど、子供の話題とか、病気以外の話題とか…
8. 退院のお楽しみ
退院の日が決まった時、看護師さんからこんな質問をされました。
「クリオネさん、午前中退院ですけど、お昼ご飯はどうしますか?」
と。
私は丁寧にお断りしました。
なぜなら・・・<一番のお楽しみ>がまだ残っていたからです。
そう、帰宅途中<コメダコーヒー>で、エビフライの大皿メニューを食べることを忘れてはいなかった。